合同会社設立時の払込があったことを証する書面

合同会社その他持分会社を設立する場合の出資金の払込先は、株式会社の場合と異なり、特定の金融機関である必要はない。
株式会社の場合は

会社法第34条(出資の履行)

発起人は・・・その出資に係る金銭の全額を払い込み・・・なければならない(省略)
2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等・・(省略)・・・の払込みの取扱いの場所においてしなければならない

このように、会社法で、払込場所が限定されている。
一方、合同会社の場合は

会社法第578条(合同会社の設立時の出資の履行)

 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には・・・その出資に係る金銭の全額を払い込み・・・しなければならない。ただし・・・(省略)。

とあるだけで、株式会社の払込場所にあたる規定は、合同会社においては存在しない。
ということで、合同会社の出資金の払込場所はどこでもよいことになる。
社員になる人たちが、設立中の合同会社に対する払込みと認めうる方法を決めて、それに従った方法で行えば「払い込み」をしたことになる。社員になる人が複数いる場合は、その中から払込を管理する人を決めれば、その人に渡すことで「払い込み」をしたことになる。
出資金が1万円の人は、振込手数料を考えると、1万円札を手渡しする方が現実的なのかもしれない。もしかすると、スマホをかざしたペイペイ支払の方が簡便なのか?

 

月刊登記情報2007.542号61pによれば「持分会社の設立に当たっては、社員になろうとする者のそれぞれが出資金の受領を含む設立事務全般を取り扱う権限を有しているものと解されるから、例えば、社員になろうとする者のうちの一人を払込取扱者と定め、他の者はそれぞれの出資金をその払込取扱者に直接に受け渡すことによって、払込みを完了することもできる。」とある。

 

銀行等の金融機関口座を払込先としない場合は、「出資金領収書」を作成して「払込があったことを証する書面」として登記申請に添付することになる。

 

出資金領収書
有限責任社員 猫野犬太郎殿
金1万円
にゃーニャー合同会社の出資金として領収しました。
令和2年2月22日
○県○市○町○丁目○番○号
代表社員 犬野猫子

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