会社設立時における住所非表示措置の疑問

***本記事は随時修正予定***思考の整理のために記録しています

 

会社設立時の代表取締役住所非表示措置問題

株式会社の設立登記申請の際に、代表取締役の住所について非表示措置を希望する場合
1.株式会社の本店所在地における実在性を証する書面
2.代表取締役の公的住所証明
 →設立時は代表取締役の印鑑証明書を添付することが殆どなので援用
3.株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面
 →設立時は、公証役場発行の「申告受理及び認証証明書」がある
の3つが必要。

 

問題は、1.の会社設立登記申請時の「本店所在地における実在性を証する書面」である。
「本店所在地における実在性を証する書面」としては、①②のいずれかを選択することになる。
①登記申請を受任した司法書士が、当該会社が登記上の本店所在場所に実在することを確認したことを証する書面
②配達証明及び郵便物受領証(株式会社の商号・本店所在場所を送付先とする)

 

②の配達証明及び郵便物受領証について、通達には「転送不要」文言までは要求されていなかった。発送者も問わないのだろう。設立登記申請前に郵便物を発送することになるので、法律上は「株式会社〇〇」という法人体はまだ存在しないが、宛名は「〇〇株式会社御中」でもかまわないとは思うが、登記上の本店所在地に「201号室」などと記録しない場合との関係はどうなるのだろうか?ちなみに、本店機能の有無までは確認する必要はない。

 

司法書士としては、自らが郵便物を発送して実在性を確認したとしても、①の「本店の実在性を確認したことを証する書面」を作成して電子署名を行いオンライン申請時に添付送信する方が多いのだろう。本店所在場所が事務所の近くであれば、現地確認をした方が早い。
設立登記申請時の代表取締等住所非表示措置の最大の疑問は、いつ実在性の確認をするか?である。いつ現地に行くのか?いつ郵便物を発送するのか?施行前の通達では、設立時のことは明らかになっていない。
設立申請日当日の日付で実在性の確認をした旨の書面を作成することも考えられるが、現実的ではない。
では、何日前の確認日時なら良いのだろう?定款作成前は論外なのか?本店所在場所まで記載した定款の認証後であれば良いのか?定款には本店所在地としての最少行政区画までの記載しか無い場合は、発起人による本店所在場所決議日の後であれば良いのか?それとも、発起設立の手続終了の日付以降でなければならないのか?

 

今後のQ&A作成に期待したい。

 

なお、非表示措置の申出の主体は、あくまでも会社であり、非表示・表示の対象となる代表取締役個人ではない。とすると、代表取締役が複数いる場合は、受任者としては非表示・表示の意向については注意が必要となる。

 

将来的には、非表示措置の如何を問わず、、会社の印鑑証明書には、代表取締役の住所を記録できるようにしてほしい。

 

***本記事は随時修正***

 

その他

 

株式会社の発起設立の登記申請の際に添付する「払込があったことを証する書面」(会社法第34条1項)として、払込取扱機関口座の預金通帳の写しを添付する場合の預金通帳の口座名義人について
平29.3.17民商第41号 参照

 

預金通帳の口座名義人の範囲
発起人、設立時取締役、設立時代表取締役
だたし、発起人が当該取締役(設立時代表取締役を含む)に対して払込金の受領権限を委任したことを証する書面を添付すること
登記添付書面から発起人、設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していないことが明らかである場合には、預金通帳口座名義人は、発起人、設立時取締役 以外の者でもよい
ただし、発起人がその者に受領権限を委任したことを証する書面添付要。発起人が複数人いる場合、右委任は発起人の一人からよい

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