法定相続情報証明制度-法定相続情報一覧図の写し

法定相続情報証明制度とは

平成29年5月29日から法定相続証明情報制度が開始されました。

注意:2017(平成29)年6月20日までの短期間で、添付書面の特例的扱いの通達がありました。今後しばらくは実務上重要な通達が複数回なされることが想定されます。情報収集にあたりネット検索をされる場合は、このような特例扱いにも注意が必要です。

注意:2018(平成30)年4月1日より 施行通達の改正により、法定相続証明情報に被相続人の「最後の本籍」の記載が推奨、登記申請時の住所証明としての使用可否に変更がありました

注意:2018(平成30)年4月1日より 相続税の申告書の添付書類の一部として、一定の条件を満たす場合に法定相続情報一覧図を使用することができるようになります

 

法定相続証明情報制度とは、相続関係を専用用紙に印字したものに登記官が認証文をつけて交付したもの、その一枚をもって(戸籍束一式の代わりに)、登記など、各機関の相続手続に利用できる、というものです(従来通り、戸籍の束で相続手続を行ってもかまいません)。

 

これまでは、戸籍の束を、各機関に提出して相続手続を行っていました。各手続を効率よく同時進行していこうとすると、戸籍の束が複数セット必要でした。

 

この制度により、被相続人の出生まで遡った戸籍をワンセット取得、これらを管轄の法務局へ提出して、法定相続情報一覧図の写しを複数枚取得すれば、効率よく、相続手続を行うことができる・・・と思われます。

 

ただし、相続情報一覧図の写しが交付されるまでにかかる日数によっては、これまで通り、戸籍の束を複数セット用意した方が簡便なケースもあるでしょう。
銀行支店窓口で配布される顧客向けの相続手続書類案内がこの制度にそった新しいものに更新されるまでに数か月、さらに実際に運用する中で随時修正される事務マニュアルが落ち着くまでにも数か月かかるでしょう。また、各機関の事務マニュアル次第によっては、これまでと同様、戸籍一式あるいはその一部を求められる場面が想定されます。

 

よって、法定相続情報証明制度が開始されて1年ぐらいの間は、現場で手続説明をする担当者も本部確認に手間取る場面があるでしょう。

 

相続手続を職務上効率よく行うことが要求される我々司法書士にとっては、注目すべき制度ではありますが、一般の方にとっては、届出書を必要書類とともに法務局へ提出するその作業に負担を感じてしまい、さほどメリットを感じる制度ではないかもしれません。
とはいっても、銀行支店窓口で戸籍の束のコピーをとる時間が省略されることにより、ロビー待ち時間が短くなることは明かです。

 

法定相続情報一覧図については、戸籍を集め始める前に、弊所までご相談ください。
法定相続情報一覧図パック 司法書士

法定相続情報一覧図の注意点など詳細な説明はこちら


法定相続情報一覧図の写しの提出を求められたら


法定相続情報一覧図ー相続手続注意点(銀行窓口担当者編)

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法定相続情報一覧図の写し の取得方法

被相続人(亡くなった方)の出生時から死亡時までの戸籍謄本等一式を集める

代襲相続(相続人の一部が死亡した)場合は、その死亡した人の戸籍謄本等一式も必要

相続登記と同時に法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付の申出を行い、かつ、登記官が一覧図の内容を確認できた場合においては、出生時までの戸籍等を必須としないという特例扱いがありますので、相続財産の中に不動産がある場合は、早めにお近くの司法書士に確認することをおすすめします。

 

法定相続情報一覧図と申出書の作成

法定相続情報一覧図は、これまで目にしていた相続関係説明図のようなものです。そして「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」に必要事項を記載します。法定相続情報一覧図を作成する際の用紙は、A4サイズです。相続人の住所の記載は任意です(住所も記載する場合は添付書類が増えます)。
申出書は、相続財産の中に不動産がある場合は不動産の所在事項又は不動産番号も記載します。
相続財産が預貯金のみでも、この制度を利用できます。

 


 

代理人は限定的(法定代理人、親族、弁護士、司法書士などの一定資格者)

申出書上の申出人は、相続人、数次相続人です。
その相続人らの依頼を受けて法定相続情報一覧図の届出をすることができるのは、法定代理人・親族の他は、弁護士、司法書士など戸籍法に記載されている一定資格者のみです。
友人や他の業者が代理人となることはできません。

 

管轄法務局に必要書類を提出

提出先は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人名義の不動産所在地を 管轄する登記所となっています。
この中から便利な場所を選ぶことができます。
郵送も可能です。提出した戸籍等は原本還付を請求できます。
交付手数料は「無料」です。

 

5年間は再交付ができます

当初の申出人は、作成年の翌年から5年間、法定相続情報一覧図の写しの再交付を請求できます。

 

 

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める作業が無くなるわけではありません。
遺産分割協議書は、従来どおり作成する必要があります。

 

相続手続に必要な戸籍の収集を始める前に、弊所へご相談ください。

不動産登記規則247条3項 添付書面に関する特例

不動産登記規則第247条第3項第2号
原則:被相続人の出生時までの戸除籍謄本添付
 例えば、9歳までの戸籍しか取得できなかった場合、単発での一覧図の写しの申出はできない、ということになる。

特例

相続登記と同時に法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付の申出をした場合
→必ずしも出生時からのものを必要としない。従来の相続登記と同様レベルで、一覧図記載内容の確認を登記官ができればよい。

 

 

不動産登記規則第247条第3項第6号
申出人の運転免許証のコピーを添付する場合は、その申出人本人が「原本と相違がない」旨記載して署名又は記名押印をする
 例えば、代理人が申出する場合、運転免許証のコピーの記名押印等は、あくまでも依頼人本人が行う(商業登記と同じ)

特例

司法書士が相続登記と併せて申出書を提出する場合は、法定相続情報一覧図の申出に添付する申出人住所氏名の確認書面としての運転免許証等のコピーへの原本相違なしの記載とその記名押印は、司法書士が本人に代わり行うことができる

 

法定相続情報一覧図の注意点など詳細な説明はこちら▶

法定相続情報一覧図に関連する法改正内容

法定相続情報一覧図に関する不動産登記規則一部改正 (平成29年5月29日から施行)

今後、法改正等の可能性があるので、最新の条文を確認する必要があります

(法定相続情報一覧図つづり込み帳)
第二十七条の六 法定相続情報一覧図つづり込み帳には、法定相続情報一覧図及びその保管の申出に関する書類をつづり込むものとする。

 

(保存期間)
第二十八条の二
・・・・
六 法定相続情報一覧図つづり込み帳作成の年の翌年から五年間第三十七条の二の次に次の一条を加える。

 

(添付情報の省略等)
・・・・
第三十七条の三 表題部所有者又は登記名義人の相続人が登記の申請をする場合において、その相続に関して第二百四十七条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しを提供したときは、当該写しの提供をもって、相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる

 

 

第六章法定相続情報
(法定相続情報一覧図)
第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。
一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日
二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄
2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする申出書を登記所に提供してしなければならない。
一 申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄
二 代理人(申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条の二第三項に掲げる者に限る。以下本条において同じ。)によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
三 利用目的
四 交付を求める通数五被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産所在事項又は不動産番号
六 申出の年月日
七 送付の方法により法定相続情報一覧図の写しの交付及び第六項の規定による書面の返却を求めるときは、その旨
3 前項の申出書には、申出人又はその代理人が記名押印するとともに、次に掲げる書面を添付しなければならない。
一 法定相続情報一覧図(第一項各号に掲げる情報及び作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、その作成をした申出人又はその代理人が署名し、又は記名押印したものに限る。)
二 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書
三 被相続人の最後の住所を証する書面
四 第一項第二号の相続人の戸籍の謄本、抄本又は記載事項証明書
五 申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面
六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)
七 代理人によって第一項の申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面
4 前項第一号の法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したときは、第二項の申出書には、その住所を証する書面を添付しなければならない。
5 登記官は、第三項第二号から第四号までに掲げる書面によって法定相続情報の内容を確認し、かつ、その内容と法定相続情報一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、法定相続情報一覧図の写しを交付するものとする。この場合には、申出に係る登記所に保管された法定相続情報一覧図の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印するものとする。
6 登記官は、法定相続情報一覧図の写しを交付するときは、第三項第二号から第五号まで及び第四項に規定する書面を返却するものとする。
7 前各項の規定(第三項第一号から第五号まで及び第四項を除く。)は、第一項の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出をする場合について準用する。

 

(法定相続情報一覧図の写しの送付の方法等)
第二百四十八条 法定相続情報一覧図の写しの交付及び前条第六項の規定による書面の返却は、申出人の申出により、送付の方法によりすることができる
2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
3 前項の指定は、告示してしなければならない。

 

http://kanpou.npb.go.jp/20170417/20170417h07000/20170417h070000001f.html より抜粋

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