実質的支配者は誰だ

(実質的支配者の確認方法等)
第十一条
 法第四条第一項第四号及び令第十二条第三項第三号に規定する主務省令で定める者(以下「実質的支配者」という。)は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者とする。
一 株式会社、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十二項に規定する投資法人、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社その他のその法人の議決権(会社法第三百八条第一項その他これに準ずる同法以外の法令(外国の法令を含む。)の規定により行使することができないとされる議決権を含み、同法第四百二十三条第一項に規定する役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案(これらの議案に相当するものを含む。)の全部につき株主総会(これに相当するものを含む。)において議決権を行使することができない株式(これに相当するものを含む。以下この号において同じ。)に係る議決権を除く。以下この条において同じ。)が当該議決権に係る株式の保有数又は当該株式の総数に対する当該株式の保有数の割合に応じて与えられる法人(定款の定めにより当該法人に該当することとなる法人を除く。以下この条及び第十四条第三項において「資本多数決法人」という。)のうち、その議決権の総数の四分の一を超える議決権を直接又は間接に有していると認められる自然人(当該資本多数決法人の事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合又は他の自然人が当該資本多数決法人の議決権の総数の二分の一を超える議決権を直接若しくは間接に有している場合を除く。)があるもの 当該自然人
二 資本多数決法人(前号に掲げるものを除く。)のうち、出資、融資、取引その他の関係を通じて当該法人の事業活動に支配的な影響力を有すると認められる自然人があるもの 当該自然人
三 資本多数決法人以外の法人のうち、次のイ又はロに該当する自然人があるもの 当該自然人
(省略)
4 国等(令第十四条第四号に掲げるもの及び第十八条第六号から第十号までに掲げるものを除く。)及びその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)は、第二項の規定の適用については、自然人とみなす。

 

「第二項の規定の適用については、自然人とみなす」って何を?

 

「国等」=「法第四条第五項に規定する国等をいう。」(規1⑥)

 

「法第四条第五項」=「国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他政令で定めるもの(以下この項において「国等」という。)」

 

「政令で定めるもの」=
「(法第四条第五項に規定する政令で定めるもの)
第十四条 法第四条第五項に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人
二 国又は地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上を出資している法人(前号、次号及び第五号に掲げるものを除く。)
三 外国政府、外国の政府機関、外国の地方公共団体、外国の中央銀行又は我が国が加盟している国際機関
四 勤労者財産形成貯蓄契約等を締結する勤労者
五 金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第二十七条の二各号に掲げる有価証券(金融商品取引法第二条第一項第十一号に掲げる有価証券及び当該有価証券に係るもの並びに同法第六十七条の十八第四号に規定する取扱有価証券に該当するものを除く。)の発行者
六 前各号に掲げるものに準ずるものとして主務省令で定めるもの」
「規則 (国等に準ずる者)
第十八条 令第十四条第六号に規定する主務省令で定めるものは、次の各号に掲げるものとする。
一 勤労者財産形成基金
二 存続厚生年金基金
三 国民年金基金
四 国民年金基金連合会
五 企業年金基金
六 令第七条第一項第一号イ又はロに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭を預金若しくは貯金又は同号ロに規定する定期積金等とするものを締結する被用者
七 第三条第四号に掲げる信託契約を締結する被用者
八 団体扱い保険又はこれに相当する共済に係る契約を締結する被用者
九 令第七条第一項第一号リに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭を当該行為の対価とするものを締結する被用者
十 令第七条第一項第一号カに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭により返済がされるものを締結する被用者
十一 有価証券の売買を行う外国(国家公安委員会及び金融庁長官が指定する国又は地域に限る。)の市場に上場又は登録している会社」

 

つまりのところ・・・
国、地方公共団体のみならず、上場会社も「自然人」とみなして、実質的支配者を判断する。
よって、
上場会社の子会社が顧客の場合、わざわざ、その上場会社の株主を、自然人にぶちあたるまで探し続ける必要はないらしい
さらに、11条4項で「・・・及びその子会社」とあるから、 顧客A株式会社の議決権株式を50%超もっているB会社が上場会社の子会社である場合は、A株式会社の実質的支配者はB会社となり、B会社の親会社ではないことになる。

 

なお、実質的支配者リストには、B会社の本店・商号を住所・氏名欄に記載をして、国籍生年月日は空欄。会社設立日を記載する必要はないらしい。

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