抵当権抹消と代理権不消滅

代理権不消滅と抵当権抹消

抵当権抹消登記申請時に、金融機関の代表者が変わっている場合

昔は、「登記義務者の代表者の代表権限は消滅したが、代表権限を有していた時期は〇年〇月〇日から〇年〇月〇日まで」などと、代表権限を有していた時期を、登記情報から拾って記載していたが、平成27年通達以降は、期間の記載は不要。
「旧代表取締役は〇年〇月〇日退任したが代理権不消滅」などのように記載すれば足りる。なお、この記載方法は、従来見本どおりに期間を記載した際に、法務局からあえて補正を求められ、指示を受けた記載方法である。申請書登記義務者の箇所に()カッコ書きで記載していたので、そこは余事記載としてスルーでもよいのでは?とも思ったが、周辺書籍は、いまだに期間を記載した見本しかないので、具体的記載方法を知れてよかった。
<追記>
でも、そもそも「年月日退任した」の部分も不要じゃないかと思い始めて数年が経過、毎回悶々としていたところ、月報司法書士2026.2No.648の67pで、「「代表取締役〇〇〇〇の代表権は消滅した」等の記載をしている」との記載を発見。考えてみれば、そりゃそうです。期間記載は不要で「当該代表者の代表権が消滅した旨」を明記せよと言っていっているのだから、単に・・・の代表権は消滅した、と書けば足りるはずだし、代理権は不消滅とかいう法的判断記載も余計なお世話でしょう、次回はそのように記載してみようと思います。


平成27年10月23日付(法務省民二第512号)通達

(5)登記申請の代理権が消滅していな場合の添付情報の取扱い
ア 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更によって消滅せず(不登法第17条第4号)、この法定代理人には法人の代表者も含まれる・・・当該法人の会社法人等番号を提供しなければならない・・・この場合には、申請情報に当該代表者の代表権が消滅した旨を明らかにしなければならない・・・(省略)
イ また、同一登記所における法人の代表者の資格を証する情報の取扱いを定めた平成5年通達の記第2の1は廃止する

平成5年7月30日付(法務省民三第5320号)

第2 登記申請代理権の不消滅に関する規定の新設
1  委任による登記申請代理権の不消滅に関する規定が新設されたが、委任者の法定代理人の代理権が消滅した場合もこれに該当し(法第26条第3項)、この場合の法定代理人には、法人の代表者も含まれる。したがって、細則第44条の8第1項に規定する場合において、申請書に添付された登記申請の代理権限を証する書面の作成名義人である法人の代表者が現在の代表者でないと認められるときであっても、次に掲げる場合には、これを適法な登記申請の代理権限を証する書面の添付があるものとして扱う。なお、その申請が細則第42条第1項又は第42条の2第1項の申請であるときは、当該代表者の印鑑証明書(作成後3か月以内のものに限る)の提出があることを要する。
ア 登記申請の代理人が当該代表者の代表権限が消滅した旨及び当該代表者が代表権限を有していた時期を明らかにし、当該法人の登記簿でそのことを確認することができる場合
イ 当該代表者の代表権限を証する書面(作成後3か月以内のものに限る。)が申請書に添付されている場合

住宅金融支援機構の場合の注意点

弁済日兼抵当権解除証書作成日兼委任状日付が 令和3年 代理人は甲区事務所のA氏
A氏は、令和5年4月1日に解任 令和5年4月3日に乙事務所の代理人として登記
令和5年5月に抵当権抹消申請を行う場合、
確かにA氏は機構の代理人ではあるが、甲区代理人としてのA氏は既に存在しない。
申請書の登記義務者は、申請時の甲区代理人を会社法人番号とともに記載、かつ、旧代理人Aは令和7年4月8日解任だが代理権不消滅、などのように記載、すべきと思われるが・・・

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